マンション管理計画認定制度について
2021年6月に「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」が改正されました。
2022年4月より新しく「マンション管理計画認定制度」が施行されます。
この制度は、地方自治体が(以下、自治体という)が 「マンション管理適正化推進計画」を作成している地域にあるマンションで、管理計画が一定の基準を満たす場合に管理組合が申請することにより、自治体から認定を受けることができる制度です。
認定を受けたいマンションの管理組合は、管理規約や長期修繕計画、総会議事録等をまとめた管理計画を自治体に提出して認定の申請をします。
自治体は認定基準を満たしているかを判断し、満たしていれば「適切な管理計画を持つマンション」として認定します。
認定は5年毎に更新する必要があります。この制度の目的はマンションの管理不全の兆候を見つけ出すことなので、認定基準は一般的なマンションであれば基準を満たすのは当然といったレベルのものです。
認定基準は自治体により多少の違いが出る可能性はありますが、おおよそ下記のような内容になっています。
《マンション管理計画の認定基準》
◎管理組合の運営
・管理組合の管理者が定められていて、監事が選任されている。管理組合の集 会が年1回以上開かれていること。
◎管理規約
・管理規約が作成されていて、マンションの適切な管理のため、管理規約において災害等の緊急時や管理上必要なときに専有部の立ち入り、修繕等の履歴情報の管理等について定められていること。また、管理規約において管理組合の財務、管理に関する情報の書面の交付(または電磁的方法)について定められている。
◎管理組合の経理
・管理費及び修繕積立金等について明確に区分して経理が行われている。修繕積立金会計から他の会計に充当されていない。直前の事業年度の終了時点で修繕積立金3ヶ月以上の滞納額が全体の1割以内であること。
◎長期修繕計画の作成及び見直し等
・長期修繕計画が「長期修繕計画標準様式」に準拠し作成されていること。計画の内容及びこれに基づき算定された修繕積立金額について集会決議されている。長期修繕計画の実効性を確保するため計画期間が30年以上であること。残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれるように設定され、見直しが7年以内毎に行われている。将来に修繕積立金の一時的な徴収を予定していない。長期修繕計画の修繕総額から算定された修繕積立金の平均額が著しく低額でない。長期修繕計画の計画期間の最終年度において、借入金残高のない計画となっている。
◎その他
・緊急時に迅速な対応を行うため、組合員名簿、居住者名簿を備えていること。次に1年に1回以上は内容の確認を行っている。都道府県等マンション管理適正化指針に照らして適切なものである。
認定を受けるメリット
認定を受けるメリットとして、区分所有者の管理への意識が高まります。
管理水準を維持や向上がしやすくなりこともあります。
また、適正に管理されているマンションであることが不動産市場で評価されることが期待されます。
管理組合の能動的なリーダーシップが求められます
新制度創設の背景には、今後、築40年以上の高経年マンションが増加。高齢化や修繕積立金の不足などの問題懸念されます。建物の老朽化を抑制し、周辺への危害等を防止する目的で創設されています。
ただし、管理計画の認定を受けることは義務ではなく、努力義務となっています。
それぞれのマンションの長寿命化をどう図っていくか?また、そのためは何が必要なのか?
長期的な修繕計画に基づき、しっかりとした資金計画も大切です。
管理組合の能動的なリーダーシップが求められます。今まで以上に専門家のアドバイスが必要になってきます。
マンション管理士が、ケースに合った的確なアドバイスを行っています。