マンション管理組合必見! 管理情報開示について
(グッドプランナーズマンション管理士事務所は、2022年4月1日現在の法令等に基づいて解説しています)
マンションの管理状況は、資産価値の維持向上や居住者の安心に繋がる重要な要素です。中古マンションを購入しようと考えている人には大切な判断材料です。マンション管理規約や修繕積立金の状況は気になるポイントです。
マンション管理情報
購入物件を仲介する宅地建物取引業者を通じて管理情報を収集することが出来ます。
宅建業者が管理会社に照会、管理規約等の重要な管理情報を入手しま。
購入予定者に提供するという流れになります。
マンション標準管理委託契約書が改正
こうしたことを踏まえて、2016年7月にす契約書のひな型「マンション標準管理委託契約書」が改正されました。
主な改正点は、マンションの売買の際、管理に関する情報提供の依頼を受けたときに、管理会社が管理組合に代わって開示する情報の項目が明記されました。
改正の注目点
この改正で注目されるのは次の2点です。
(1)マンションの購入予定者のマンションの管理に関する情報の開示項目が充実。
(2)情報を得る対象に売却予定者も加わったことが大きなポイントです。
例えば、購入予定者がリフォームすることを前提に検討しているのに、管理規約に制約があり希望通りのリフォームができなかったり、入居前には知らされていなかった大規模修繕工事のための追加修繕費を請求されたりといった事態も起こり得ることも。
また、予定していた借入金の返済計画にも影響を及ぼしかねません。購入者の利益保護のために、事前に多くの情報を把握できることが大切です。
情報開示の例示
今回の改正では、以下のように具体的に開示すべき情報が例示されました。
・管理規約
・使用細則や専有部分の使用制限など
・管理組合の役員数や選任方法、年間の理事会開催回数など
・駐車場や駐輪場等の使用料や空きの有無など
・購入予定者が負担する管理費や修繕積立金などとその支払い方法
・管理費や修繕積立金の収支状況、滞納の有無
・長期修繕計画の有無、共用部分の修繕実施状況や予定
・耐震診断等の実施の有無とその内容
購入予定者が事前にその情報を得て購入の可否を決める判断材料
個人情報に係わらない範囲で、できるだけ多くの情報を開示しようという趣旨なので、管理費の滞納があるのに管理組合が放置している場合や、長期修繕計画で必要とされる修繕積立金を蓄えていない場合などは、購入予定者が事前にその情報を得て購入の可否を決める判断材料とすることができます。
この情報開示制度によって中古住宅の購入者の利益を保護するとともに、管理組合が資産価値の維持向上のために管理品質を高める努力をすることにつながります。
管理業務委託契約書
各マンションの管理組合が管理会社と交わす管理業務委託契約書は契約を更新する際に改正が可能ですので今後、情報開示が充実した管理業務委託契約書を交わすマンションは増加すると考えられます。
また、国交省は高経年マンションが増えていく中で管理の適正化を推進する為に、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」を改正し、令和4年4月から「マンション管理計画認定制度」がスタートしています。
マンション管理計画認定制度
「マンション管理計画認定制度」とは管理計画が一定の基準を満たす場合に「適切な管理計画を持つマンション」として、地方公共団体から認定を受けることができる制度です。
この認定を受けることによりいくつかのメリットがあります。詳しくは、弊社ホームページの「マンション管理計画認定制度について」をご覧ください。
「マンションは管理を買え」という言葉があるように管理状況がマンションの資産価値を左右します。
高経年のマンションが増えていく中で理事会として管理情報の開示を前提として今一度、マンション管理についての認識や理解を深め適正な管理を行いマンションの資産価値の維持向上を目指していくことが重要になりました。